2012年8月24日
〜想いをフィルムに〜 小学生から夢見た映画監督業（その６）
俳優・声優であり、映画監督でもある、白鳥哲さん。
最新作 「祈り 〜サムシンググレートとの対話〜」が 完成したばかりです。
その５はこちら＜http://archive.mag2.com/0001115543/index.html＞
２００７年１２月に、脳腫瘍と診断された白鳥さんは、
病気と向かい続け、
１年の闘病生活のあと、みごとに 病気を克服されたのでした。
再生を果たした白鳥さんが、次に取り組んだ３作目の映画が、
「不食の時代〜愛と慈悲の小食〜」（２０１０年公開）という映画でした。
「この映画を作る きっかけになったのは、
前作、『魂の教育』の劇場での舞台挨拶のあと、
七田眞先生が
『監督、次は森美智代さんの映画を作りましょう。
人間は食べなくても
生きていけるのですよ。』
と、おっしゃったのです。
奈良県に住む、鍼灸師の森美千代さんという方は、
１７年以上、一日の食事は青汁一杯だけで、生活されているというのです。
最初は 七田先生のお言葉を 素直に受け取ることができなかったのですが、
それから、食について、 徹底的に調べ、学習し始めました。」
・・・ここでもまた、白鳥監督持ち前の、徹底的な学習ですね（＾＾；）
「森さんはどうして、青汁一杯で生きられるのか。
森さんを指導された 医師の甲田光雄先生という方の断食療法の本や
関係する資料をひたすら読みました。
この作業を通じて、私たちはある意味、
『食べさせられている』という
今の資本主義社会の 構造に気付いたのです。
『売上げを上げるため』に、
『食べないと生きられない』という思い込みを
させられているということです。
もともと、日本人は現代人よりもはるかに小食・菜食でありながら、
健康状態も良好で、体力もあったのです。
明治時代の車夫さんの主な食事は、米、大麦、イモ類、粟、ユリネ などでした。
戦後、日本は、飽和状態だった、アメリカの農産物の市場としての
『ターゲット』になりました。
メディアでは 『日本食は非栄養学的』、『洋食は栄養価豊富』と
大きく宣伝され、
それがやがて『常識』として、広がっていったのです。
私たちは 動物性たんぱく質を取らないと健康になれない、
という常識を持っていますが、
植物性たんぱく質のほうが、
栄養価が豊富で、ガンのリスクも少ないのです。
たんぱく質は肉から、カルシウムは牛乳から、ということが常識になっていますが、
いろいろと調べていくと、どうもそうではない、
というデータが、たくさんありました。
この 常識を疑う、という姿勢が
真実を見極める大きなポイントであることを
映画を作るたびに感じていました。」
そうですね、白鳥監督の視点は、いつも常識を覆す、新しい視点ですよね。
「森美智代さんがなぜ青汁一杯で過ごせるのか。
それは、腸内細菌が 尿や便を リサイクルするからなのです。
本来、排泄されるものを最後まで使うことで、
体内でエネルギーに変えることができるのです。
この構造が生菜食や小食実践者の腸内には備わっているのです。
森さんは、早朝から患者さんがひっきりなしに訪れる鍼灸師です。
夜の７時くらいに、ようやく隣の畑で採れた野菜を搾って青汁をいただきます。
森さんはそのときに、「五観の偈（ごかんのげ）」という、
禅宗の感謝の祈りをささげます。
その場面を 撮影していて、
『食というのは、ほかの生き物の生命をいただく 行為なのだ』
ということに気付かされました。
それを考えると、たくさんの食べ物を捨てている今の日本の状況は
かなり不調和な状態なのです。」
食べ物を粗末にする、ということは
命を粗末にする、ということ・・・。
九死に一生を得た、という白鳥さんだからこそ、
そのメッセージに敏感に
反応されたのだと思います。
映画「不食の時代」は、各方面に大きな反響をもたらしました。
（ＤＶＤにもなっています）
この映画の中でも、 食事の前に、森美智代さんの「祈る姿」が
映し出されています。
その姿こそが、白鳥監督の心に、また 新たなテーマをもたらしたのでした・・・。
つづく
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◎「映画 〜サムシンググレートとの対話〜 ブログ
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http://officetetsu.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-2eeb.html
また、ヨーロッパのハリウッドとも呼ばれる盛大な映画祭、
「マルベーリャ国際映画祭」で、正式招待作品となり、
ノミネートされました。
第七回目の今年は、
世界五十二か国1000作品の中から選ばれました。
表彰式は10月に開催される予定です。