2010年9月8日
中国・シンセン・香港ツアー報告
9月3日から6日まで駆け足ではありますが、
ご縁をいただきまして、中国のシンセンと香港へ行ってきました。
時も時、いろいろと感じることが多かったので、
今回はそのときの様子などを書かせていただきます。。。
+ + + + + +
中国は、広い。
そして大きい。
人が多い。
現在、日本で報道される「中国」の情報とは、
そのほとんどが「上海」の出来事や様子なのだそうだ。
今回訪れた「シンセン」という街は、まだあまり日本人にはなじみの薄い都市名だと思う。
しかし、香港から電車で約40分、クルマでも2時間とかからない場所に位置する。
香港はもちろん上海や北京など、歴史ある大都市に比べて、
シンセンはまだまだ新しい都市である。
ここは、経済特区として、1980年ごろから急激に開発が進んだ街だそうである。
時の中国共産党の指導者 ケ小平氏によって改革解放の政策が推し進められたのだった。
人口9000人程度だった村が、たったの30年で
なんと人口1300万人!
の大都市へ変貌したのである。
現在の中国でGDPが一番高いのがシンセンだそうだ。
街を歩いていると多くが、若い世代である。
農村地帯から出稼ぎにやって来た若者がほとんどだそうだ。
平均年齢が30歳。
地下鉄に乗っても、お年寄りはほとんどいない。
女性達はカラフルな洋服に身を包み、
足元も素足にサンダルやパンプスなどで歩いている。
ただ彼女達の多くは、いわゆるスッピンである。
ファンデーションもチークもルージュもしていない。
まゆを描いてる女性もほとんどいない。
5つ星ホテルの従業員ですら、8割がノーメークだ。
・・・どこか素朴である。
若いフロントのお兄さんもお姉さんも対応や仕事ぶりが、
ちょっとどんくさいのが
・・・可愛かったりする(*^.^*)
彼らが無垢で一生懸命なだけに、
「・・・がんばれっ♪」って気持ちになる。
街へ出かけてみると、それはそれは見上げるような超高層ビルが林立している。
50階建てなんて、ざらではない。
100階超えだって珍しくはない。
ツアーに同行されていた方が5年前に来たそうだが、この街の変貌ぶりに驚かれていた。
片側4車線の滑走路みたいな道路だって、
つい5年前にはクルマなんて走っていなかったそうだ(@.@)
それが今では、シンセン市だけで1日1500台の新車が登録
されているのだという。
「エコカー減税」なんて、どこ吹く風。
タクシーに乗っても、曲芸みたいにびゅんびゅん追い抜いて行く。
運転手も中国語なまりで「どんうぉりー」なんて言いながら、
手荒い運転でがんがん走るのが、いかにも中国らしい。
ビルの建設も、クルマの増加も桁違いのスピードである。
中心街のショッピングセンターへ出かけてみたがここはもう、
ハワイかラスベガスかパリかロンドンかって感じで、欧米のブランドショップが立ち並ぶ。
ショーウィンドウには、「ここはほんまに中国かいな」と錯覚するくらい、
欧米のモデル達が青い瞳と金髪をなびかせて、
中国の若いエネルギッシュな消費者たちの購買意欲を誘うのである。
○ラダも フェラガ○も エルメ○も もちろん○イヴィトンだって
D&○だって
そりゃもう、何でもある。
ホノルルのショッピングセンターにだって全然、引けを取らない。
むしろ新しくて、ぴかぴかしてキレイである。
たまに日本の「ファンケ○」「○印良品」なんかも入ってる。
ただ、かつて私が旅した時のハワイやアメリカとは違うのは、
しっかりとここは売れ行きが良いのだそうである。
だいたいラスベガスでもハワイでも、必ず現地の人は「昔は景気が良かったけど、今は・・・」
と
顔をくもらせるのであるが・・・。
シンセンは、違う。
モノが売れに売れている。
通路には人が溢れかえっている。
彼らは、消費を楽しんでいる。
関税が高いはずであるから、日本で見るブランドショップとあまり価格は変わらない。
しかし富裕層がやってきて、結構な買い物をするのだそうだ。
人民服を着て、労働者が一つの方向を見ていた
かつての中国とは、
とにかくえらい違いである。
ショッピングセンターのど真ん中では、海外の高級車が並んでおり、
ランボルギーニ・カウンタッ○とか、フェラー○とかBM○とか、ずらりと並んでいる。
居並ぶ高級車を楽しそうに眺めるシンセンの若者達。
食料品を置いているスーパーへ行ってみると、それは日本のチェーン店。
「日式」という文字が躍っていて、普段、日本で普通に目にするお菓子や食品が、
中国語を印刷して売られている。
とくに食品に関しては「日式=日本製」は、人気があるのだそうだ。
食品偽装問題については、こと中国は深刻だ。
安全と金儲けのバランスが崩れている、
しかも一番安全が大切なはずの食べ物の世界で。
とにかくモノが売れに売れている。
とにかく経済は、元気である。
現地の日本の方がいわれていたが、
1970年から80年ごろの日本の様子と今のシンセン(中国)の様子は、
とても似ているのだそうだ。
とはいっても中国は10億もの人口を抱える国なので、
一言で「中国とは」なんて語ることは不可能な大国である。
もっと奥地へ行けば、農村地帯だってたくさんあるだろう。
ただ良くも悪くもここは、社会主義国家。
ついつい日本と同じルールで生きられるように錯覚して、一見、
経済は自由に見えても、言論の自由はないそうである。
インターネット、ホームページは×。
しかし社会主義国家だからこそ、都市計画は国を挙げて行うことが可能であり
官民一体になって建設も工場誘致も推し進めることができる。
この大国がいざ本気になったら、
小さな島国の日本が追い抜かれるのは自明の理である。
今年、日本を追い抜いて世界第二位の経済大国に中国は躍り出た。
良いとか悪いとかではなく、リアルなシンセンの現状をこの目で見た。
昼間、駆け抜けるように街を視察し、
高級中華料理のレストランで
食事をした後、
ご厚意で手配していただいた快適な5つ星のホテルの部屋で私は独り考えこんでしまった。
「・・・ニッポンは、これから どういたらいいがぜよ」 ← なぜか土佐弁。
つづく・・・