2010年7月7日
組織づくり・仕組みづくりに長けた『番頭』、波乱万丈物語（前編）
宮崎地鶏の美味しい店、「車」さん。
丸の内をはじめ東京に８店舗、大阪は北新地その他に６店舗を数える。
（株）イデアはこの「車」の他にも鉄板焼きや、
串かつの店などを合計２１店舗多角経営する、飲食チェーン。
これだけ書くと、ふつうの会社である。
しかし、何よりもこの会社がユニークなのは、この会社のオーナーは実は現役のパイロット。
そして、この（株）イデアの要といえる存在として、
つとに有名な方が菅野 功専務。
「ひのえうま」の昭和４１年生まれ（私と同い年っ）。
背が高くて、石黒賢さん似（ちょっとだけ）。
話をしていると穏やかで気さくで、とても優しい方なんですが、
仕事に掛ける熱さや情熱はハンパじゃないですね。
今の会社もとてもユニークなエピソードがたくさんあるのですが、
半生をうかがっているとまたこちらもエピソードが満載・・・。
とても一度では書けませんので、前編と後編に分けます。
菅野さんは福島市出身。
高校まで過ごし、就職で東京へ。
最初の就職先は、大手電気メーカー。
「就職して１年ほどして、本社から新任の部長がやって来ました。
部長なのに、３０代前半の若さ。驚きました。
上司は班長でも３０代後半、４０代で課長。
たずねてみると、
『彼は大卒だから。われわれ高卒にあの道はないよ』と言われて・・・。
大きな組織、学歴社会、自分が置かれている現実にショックを受けました。
ちょうどそのころ、先輩に羽毛布団のマルチ商法に誘われたんです。
この仕事は自分が頑張っただけ、お金も地位も上がる。
おもしろくなって続けていたら、半年で会社の給料と同じくらいの収入になったんです。」
同世代の私には、よく分かる。
あの当時は景気も良かったし、まだ日本全体に現代よりも「未来」に希望があった。
しかしその下に渦巻く、「矛盾」に私もちょうど、のたうっていた頃だった。
「そしたら、上司に呼び出されまして。
勤務はまじめにしていたし、会社に迷惑をかけないようにあくまで副業だという自負があったんです。
しかし結局、会社を取るのかマルチを取るのかという話になって・・・
半分クビみたいな形で会社を辞めました。」
就職した電気メーカーで「組織」に失望した菅野さんですが、
マルチ商法では「組織」を作ることで収入になる・・・。
「だからいい組織を作ろうと思って。みんなで頑張ろうと思いました。」
若干ハタチの青年は、大きく事業を展開しようとするのですが・・・。
「２年くらいでその会社が、社会問題になって辞めました」
（Ｔ.Ｔ）
だけど人生とはおもしろいもので、菅野さんはその後、
マルチ時代の先輩の実家に身を寄せることになる。
それが大阪・鶴橋のお好み焼き屋さん。
ここで菅野さんは「飲食店のおもしろさ」に目を見張ることになる。
「メーカー時代は、モノを作っていたんですが、自分が担当するのはほんの一部分だけでした。
マルチ時代は、販売。だけどその布団がどんな思いで作られて、
どうやって自分の手元に来たのか、全く分からない。
だけどお好み焼き屋さんでは、お客さんの目の前でキャベツきざんで粉を溶いて、
汗かいてお好み焼き焼いて「おいしい、おいしい」って喜んでもらって
「ありがとう、またね」って、現金払って帰って行く。
「製造・販売・サービス・集金」を短時間に一気にやってるのが飲食業。
そこにまったく、ウソがない。
自分が体験した二つの仕事が、凝縮されているのがおもしろかったんです」
菅野さん若干２５歳。
世はバブル華やかなりし頃。
このお店は２〜３時間待ちは当たり前、
常時車は１５台くらい待っているという超・人気店。
菅野さんはそれまでの体験で「しくみ」を作ることの重要性を痛感していました。
超繁盛店の鶴橋本店で修行し、
店を回すこと、段取り、効率、仕組みをいろいろと考えたそうです。
「またその当時のマネージャーさんから、商売の「イロハ」を教わりました。
その日1日、その1個1個、1枚1枚のオーダーに対して、
常に100％の思いで接客をし、
調理をし、仕事をしなさい、と。
それが今でも僕の根底にあります。」
それからは社長・マネージャーと一緒に独学で勉強して、
お好み焼きのお店を大きくするのに尽力したそうです。
それからそのお店はＦＣ展開し、関東や静岡・下関などにもお店ができ、
ＦＣ展開のために菅野さんは全国を飛び回り大きく業績を上げていきます。
「仕事も頑張りましたけど、毎週クルーザー乗ったり、ジェットスキーやったり、
バブル時代をたっぷり体験しました・笑」
で、それから・・・
「はい、バブルが崩壊して、倒産しました。」
（Ｔ.Ｔ）
「その残務処理に一年半くらいかかったんですよね。
２７歳、ちょうど二人目の子どもが生まれたころでした」
（@.@）
「残務処理をしていて、お世話になった方に、ハガキを２００枚くらい出したんです。
その中のお一人が、今の（株）イデアのオーナーでした」
先述の（株）イデアのオーナー（通称・大将）とは、
お好み焼き店時代からの知り合い。
デパ地下の屋台コーナーに、
鶴橋の人気店だったお好み焼き屋さんの出展依頼が来たのだそうです。
その時にお隣に出展していたのが、当時、焼き鳥屋だった大将のお店。
社長である奥さんとスタッフが焼き鳥を焼いていて、
そこで大将は販売をされていたのでした（もちろんフライトが休みの日です）。
それがご縁で、以来、年に２〜３回、お茶をしたり食事に誘われたり。
大将が千日前に出店されるときは、厨房機器の業者を
紹介したこともあって、
そのお店の常連になってずっと交流が続いていたのだそうです。
大将は、フライトから戻って菅野さんの退職のあいさつハガキを郵便受けから取り出し、
そのまま電話に直行したそうです。
そして二人は、道頓堀・戎橋の喫茶店でその日のうちに
会うことになり・・・。
波乱万丈の菅野さんの人生は、また、そこから大きく
転換することになるのです。
後編へ つづく！
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株式会社 イデア 大阪府吹田市<http://www.idea-co.jp/>
宮崎地鶏炭火焼 「車」 オフィシャルサイト <http://www.kuruma-jp.com/>
株式会社ヨーグルトランド <http://www.yogurt-land.jp/>