2019年4月5日
「未知への扉」
３０年ひと昔。
つらつらとあの時を思い出してみると、
平成の始まりは、厳粛で重々しいものでした。
新年を迎えて数日後、
昭和天皇の崩御という、哀しみの中、
いきなりもたらされた「切り替え」の時。
世の中は自粛、自粛で満ち溢れ、
とてもおめでたいムードではありませんでした。
そう思うと、今回の「令和」の発表後の、
世の中のフィーバーぶりを見ていると、
３０年前とは全く違う様相です。
「一世一元」という改元の制度は、
哀しみと共にもたらされるものだったのだと
改めて実感しますね。
今上天皇陛下、皇后陛下が共にお元気で、
満を持してご勇退あそばされ、
若くてお元気な皇太子殿下に
バトンをお譲りになられる。
この春、改元はおめでたいこと、
慶事へと転換しました。
ご譲位と改元が起きるのは、光格天皇以来、
実に２００年ぶりのことだそうです。
私たちは、まさに稀有な歴史的場面の
目撃者なのですね。
ちょうど、平成が始まった頃に、
私は、自分自身を探求し始めました。
やがて、自分の道とはこれだと感じ、志を立て、
知人と共に、新しい会社を立ち上げたのが、
平成７年４月１１日のことでした。
その間、数えきれないほどの人との出会いと別れ、
さまざまな紆余曲折を体験した後、
昨秋には大きな課題を終了して、
一息つくことができました。
私自身にとっても、平成の３０年とは、
一つの旅の始まりと終わりの時間でした。
そう思うと「令和」という時代を迎えるのは
私自身の人生にとっても、
新たな展開であり、新たな道筋の始まりだと
実感するのです。
今年、という時間軸で見ると、
今日のこの新月の日は、
平成３１年に続く、令和元年においては
とても大切なスタートのタイミングです。
１月から３月までじっくりと時間をかけて
準備してきたことが
ここからトップスピードに入るという
大事なタイミングです。
私の中でも、これから取り組んでいきたい
新しい目標とかテーマが見つかりまして、
いろいろと思いを巡らせているところです。
これまでの「土台」を元に
次の流れを創造していくのだろう、と
予感することが多々あります。
一つのことを、ずっと続けていくことも大事ですが
人間、そうはいかないことも、
往々にして起こるものです。
先日、敬愛してやまないイチロー選手が
とうとう、現役引退を発表しました。
まさに、平成のレジェンドが、
平成の終わりと共に、バットを置いたのです。
会見でもイチロー選手自身が
「僕はこの先、どうなるんだろう？」と
語っていました。
長きにわたって野球選手だったイチロー選手しか
見てこなかった私たちも、
その先の姿は全く予想できませんね。
これは、今上天皇陛下にも通じるところだと思います。
上皇とおなりあそばされた後、
どんなふうにお過ごしになられるのだろう。
日本人、一人一人にとって、
「令和」という時代とは、
「未知への扉」への挑戦、
ということかもしれません。
思い残すことのないよう、
残りわずかな平成の間に、
いろいろとお片付けを
済ませておきたいと思います。
さて、そして新しい「令和」の時代に
何を持っていきましょうか。