2010年8月7日
やんちゃでナイーブな青年社長 めざせ不動産業界の風雲児（前編）
神奈川県で、不動産業を営む青年社長、熊井聖樹（まさき）さん。
若干36歳。
なぜ知り合いになったかというと、今の横浜でオフィスを借りるとき。
そう、実は今のオフィスの大家さんなんです（笑）
「オレンジＢＯＸ」という業界ではとても有名な、トランクルームの仕掛け人。
厚木に３つ、横須賀、狩場でも事業を展開。
八丈島でＮＯ．1のリゾートホテルを経営。
横浜駅西口のビルのオーナー業。
東京・大森のカプセルホテル。
シェア型オフィス事業の 「オフィス横浜」などなど。
「本業は分譲住宅の売買業がメインなんですが、
今ではサブだった事業の方が主軸になりかけています・笑」
この５年間は、毎年、新しい事業を展開しているそうです。
「それが全部ひらめきと直感なんですよ＾＾」
背が高くて、声も大きいので、どんな豪傑かと思いきや、笑顔がかわいい（失礼）、
話すととっても繊細な、不思議な人でした。
時々、飲み会でお話していると、おもしろいキャラクターだなぁと
以前からチェックを入れてまして（＾＾）
今回、改めてお話を伺ってきました。
・・・またもや波乱万丈な人生の方に、お会いしました（汗）
「僕は厚木生まれの神奈川育ちです。
高校では全然、勉強しなくて何とか先生に卒業させてもらったようなものです（＾＾；）」
お父さまも不動産業をされていたのだとか・・・。
「地元で不動産業を営む厳しい父親に反発していました。
親父は一代で大きな事業を築いた人です。
でも僕は若い頃、とにかく、とにかく、早く家を出たかったんです。
で、高校３年の２学期から、家を出てアルバイト生活。
昼夜かけもちで１３種類くらいの仕事を経験しました。
新聞配達、引越し屋、飲食店・・・。
アパートの家賃だけは親父に出してもらったけど、それ以外は自分で稼ごうと思って。」
そして高校卒業後、そのままアルバイター生活を続け、
当時、月収は軽く20万円以上はあったとか。
すごいですねぇ。
それを貯金するとか、クルマを買うとか？
「入ったお金は ほとんど、ゲームセンターで使ってました」
（・・；）
「僕、ゲームおたくなんで。一晩に新宿のゲーセンで20万使ったり。」
（@.@）
「そんな生活を2年続けてまして。２０歳になるときに、『もういいだろう』って親父の紹介で
関内の不動産屋さんに就職。
経理担当のサラリーマンになりました。
この体験はよかったです！数字を見ることを覚えましたから。」
「この会社は5〜6人しかいない会社なのに、すごいハイレベルな会社でした。
僕は社長のカバン持ちやって、目上の人の会話を聞いてるだけでも、
ものすごい社会勉強になりました。
その会話を聞いてるうちに、自分も営業をやりたくなったんです。」
そして２１歳で、小田原の不動産屋さんに就職。
一戸建て、マンションの新築・中古問わず売買する仕事だったとか。
「いろんなバイトを体験してたから、人と会って話すのは苦痛じゃなかったです。
川崎のマンションのモデルルームに1年いた時は、いい物件でしたから、
1年でマンション８戸売れまして・・・♪
報酬もどーん！と入って、すぐＢＭＷ買いました！」
（もうゲーセンじゃなかったのね（＾＾；））
そして、２５歳になって独立。
「親も一代で不動産業を築いたから、起業するのが当たり前でした。
そこそこ貯えもありましたし、じゃぁやってみろって、ことで信用金庫で借入れを起こして・・・。
何を思ったか飲食業を始めてしまいました。
儲かりそうだと思って、藤沢で居酒屋をね。」
（・・；）
「ところが、これがもう最悪。最初の２〜3ヶ月は知り合いが来てくれたりして、
最初の数字はよかったんですけど、そのうちに料理人はケンカして辞めたり、
バイトもうまくマネジメントできなくて、次々に辞めちゃって・・・。
４〜5ヶ月目には、もう戦場。
つぶれるべくして店は1年もたず、つぶれました。」
（Ｔ.Ｔ）
「借金も数千万円になってしまっていました。
なんとか不動産の仲介なんかやりながら、赤字を出さない決算を作って・・・。
居酒屋でプロデュースをやってくれた社長が、忍びないって言ってその紹介で、
カラオケ屋とガールズバーを手がけることになったんです。
（＾＾；）
「黒字だったカラオケ屋は営業権を買って、ガールズバーは六本木で親父が面白そうだって、
身を乗り出してきて会社としては、１〜2年はその店で数字を上げて黒字状態にして・・・」
・・・よかったですね。
周囲の手助けがあったのは幸いですね・・・。
「だけどその間、僕は、なんにも、本当に何にもしてなかった。
全てに自信をなくして僕は、一人暮らしの家に引きこもっていました。
２６歳から２８歳のころです。
銀行とか用事のないとき以外は、ずっと家で１８時間ぐらいゲームやってました。」
（・・；）
「1年以上も家賃は滞納するわ、人は信用できないわ、
未来も見えず、何も信じられるものがない。
返す宛てもなく、知人からお金を借りて光熱費もやっとという生活。」
・・・ジェットコースターみたいな人生ですね。
「はい、この2年間、思えば人生で最低・最悪な期間でしたけど・・・。
あれがなければ 今の自分はないと断言できます。」
意気揚々と独立して、お店を始めるも
自分の力量のなさに打ちひしがれる毎日・・・。
「借金も大変で銀行からの数千万、知人から借りたお金が数百万、
行き場がなくなってカードローンで、数十万円の枠いっぱい
お金を借りたのが最後。
もうダメだ、という窮地に陥ったときに
『これじゃいかん！』と目が覚めたんです・・・。」
熊井さん、２９歳のとき。
そして改めて、大手の引越屋さんの営業マンとして再就職。
人が信じられなくて２年間も引きこもっていたのに、いきなり外回り・・・。
「引越しの見積もりの面談に、訪問する仕事でした。
一日に７−8件、回ることもありました。
こつこつと２年間、営業やってそれで知り合いからの借金を全部、返済することができたんです。
あれで自信を取り戻しました。」
彼はお金を返すときに、頭を下げて謝ったそうです。
「自分は借りたお金を返すつもりはなかった。でも、それは間違いだった。」
もう一度、やり直そう・・・。
そして、改めて熊井さんは今度は横浜駅東口近くの賃貸仲介業の不動産屋さんに、
再就職をするのでした。
（つづく）
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