2010年9月23日
日出ずる国、日本
前回も書いたのだが、レパルスベイという海に面した香港の観音さまにお参りに行った。
以来、なんだかいつもの調子ではなかった。
なんだか、ぴたっとなぎのように止まっている。
なんだろう？なんだろう？とギモンを抱いたまま・・・、
１９日、恒例の「光を観る旅・スペシャル版」のツアーで千葉県の日本寺に行った。
途中、千葉県富津にある「東京湾観音」が見えるところに、
船長の好意で、立ち寄っていただいた。
世界平和を願って、建立されたものだそうである。
観音さまの真っ白な立ち姿を見ながら、心が洗われる想いだった。
船はまるでシルクの波の上をすべるように、
風一つない、
驚くほど 静かな海だった。
こんな静かな状態は、めったに見られないのだそうである。
まるで観音様に招かれて来たみたいだね、と
誰かの言葉にみんながうなずいた。
このところ、しきりに「海」というキーワードが来ていたのが、
やっと分かった気がした。
中国から戻って、その記憶も鮮明な間に、
この二週間であれよあれよというまに日中関係は、混乱してしまっている。
勢いがあるからとか、景気がいいから、などとお調子に乗って、
中国ビジネスに手を出そうとしたら大やけどする。
国交というベースのベースが、揺らいでしまったら、
民間レベルの行事や流通もあっというまに巻き込まれてしまう。
１万人規模の訪日旅行が中止になったとか、
上海でのＳＭＡＰのコンサートが延期になったとか、
上海万博で日本の学生が招待されていたのが中止になったとか。
・・・やれやれ。
基本や基礎の部分が整っていないとこういうことが、起きるんですよねぇ・・・。
「スピリチュアル」な世界を探求して、かれこれ２２年。
今年ようやく目が覚めたように、私がたどりついたのは
「国づくり」というキーワードだった。
今年６月の超党派の若手政治家の集まる「龍馬プロジェクト」の決起大会で、
基調講演をされた山田宏 前杉並区長のメッセージが、ずっと私の中で残っているのだ。
「人間の心がよくなるように発展するように持っていくのが政治の力」
「政治」をそのままスピリチュアルに置き換えれば、
それはそのまま私が、この２２年の間、目指してきたことと重なった。
「そう、きますか・・・。」と
腑に落ちた。
以来、政治系のニュースは見るようにしているし、インターネットでさまざまな情報を拾うようにしている。
スピリチュアルと政治なんて一番縁遠いでしょ？
といわれそうだが、いやいや古来まつりごとと神ごとは、表裏一体だったのだ。
「地 平らかに 天成る」とは、元号である「平成」の語源だそうだが、
「大地が平らになると 天が成る」のであって、いわんや地上が平和でないと、
天変地異が起きるのである。
まさしく異常気象になるのは、地が平らでないからなのだ。
で、
まぁとにかく、今回の中国との騒動が、できるだけ早くおさまることを祈っている。
「こころざし【志】通信」にも書いたのだけど、中国は今、大変な経済成長のさなかにある。
あの大国が本気になって一丸になったら、島国日本なんてひとたまりもないのである。
過去、何度も中国は世界の中心的存在だったが、この１００年あまり
たまたま「冬眠」状態だっただけで、いよいよ国力をつけて台頭しようとしている。
一丸になって本気になったら、果たして、どういう方向へ走るのか。
「中華思想」＝世界の中心という時代が、過去に何度もあったのだ。
歴史が確かにそれを物語っている。
日本国内で、真剣に懸念している有識者は多い。
「政治なんてワカラナイ」などと、誰かのせいにしている場合ではないと、
私なんぞでも、マジで思いはじめている。
外交問題にしても、経済のことにしても・・・、
その世界に首を突っ込んで、学べば学ぶほど、
実は危機感と焦燥感はつのるのだ。
それに日本人は、歴史を知らなさすぎる。
いわんや中国の歴史となるともっとうとい。
中国では西欧諸国とそして日本が、自分達に何をしてきたのか連綿と学校で教わっているのである。
「『１９１５年の２１か条』を忘れていませんから」と中国の人に
言われても、
きょとんとする日本人は多いだろう
→【私もです】
私はナショナリズムをあおっているのではない。
しかし、のほほんとしている場合ではないと、ようやく目が覚めた気分である。
スピリチュアルな観点からすれば、地球の鍵を握っているのは日本という国が持つ
「精神性」に尽きるのであって、
「経済の発展、その先にあるもの」を
どれだけ’取戻す’ことができるか。
今や日本が世界に誇れるのは、かつての先人たちが脈々と伝え続けてきた「精神性」だけだ。
今はもう悲しいほど、先細りになっているけれど・・・。
しかし、日本人ほどスピリチュアルな民族はいないと
私は思っているのである。
そう、ここは「日出ずる国」なのだ。
あらためて、日本と何か。
日本人とは、何ぞやということを突き詰めてみたいと
最近とみに思っている。
そして、道を踏み外しかけたこの国を本来のあるべき姿に戻し、
一人一人が与えられたミッションに
誠心誠意、生きられる国を造ること。
折り返し地点を過ぎた己の人生を賭けることができるなら、
本望だと思っている。